
複数の運送会社を経験していくうちに、5年10年と勤務している運転手に話しを聞く機会がよくありました。そしてわかったことは、「会社に不満があっても、ほかの会社にはないメリットがあるから続けられているという意見が多かった」ということです。ここでは、自分に合った運送会社の選び方や会社選びで失敗しないための注意すべきポイントなどを紹介しています。自分がどんな働き方をしたいのか、どんな会社を選べばいいのかを知ることで、転職を繰り返すリスクを大きく減らすことができます。ぜひ参考にしてみてください。
●運送会社にはそれぞれ会社ごとに特徴がある
運送会社は、トラックの大きさや運ぶ荷物の違いのほか、規則の厳しさ・勤務時間・給料・福利厚生など、の違いがあり、それぞれ会社によって特徴があります。
自分に向いている会社を選ぶには、「自分がどんな働き方をしたいか?」を考えることがとても重要。希望する働き方を理解したうえで、会社を選ぶことで自分に合った会社を選ぶことができます。
~(自分に合った運送会社の選び方)~
●自分の軸を明確にする(自己分析)
・「給料が高い会社がいい」
・「長時間労働・休みなしでガンガン稼ぎたい」
・「休み重視で週休二日で長期連休は必須」
・「個人経営の規則が緩い会社がいい」
・「福利厚生がしっかりしている大手がいい」
など、譲れない条件や希望する条件などを基準を明確にしておくことで、複数ある運送会社から最適な会社を選びやすくなりミスマッチを大きく防ぐことができます。
●希望する働き方・車種・仕事内容を決める
「手積み・手降ろしのない仕事がしたい」
「大型トラックに乗りたい」
「ルート配送の定期便を走りたい」
「長距離のフリー便で全国を走りたい」
「一人一台専属で乗りたい」
このように、自分が希望する条件を明確にしておくことで、運送会社の求人情報をチェックすれば、自分が働きたい仕事内容の会社が見つけやすくなります。
●会社の規模による特徴を知る
「大手・中規模・小規模」のように会社の規模によって特徴があります。
・大手運送会社は、福利厚生が充実しており給料も高めが多い。社内規則が厳しくトラックも乗り回しが多い。
・中規模運送会社は、福利厚生はほどほどにあり、給料も高くもなく低すぎることもない。社内規則は会社によって緩いところもあれば厳しいところもある。すべてが平均的な位置。
・小規模運送会社は、会社によっては福利厚生がまったくなく、給料もびっくりするぐらい安い会社も多い。休日もすくなく長時間労働で悪条件のブラックな会社もあるので注意が必要。ですが、個人経営のため、規則が緩くガンガン稼げる会社も多い。
社内規則が厳しくルールでガチガチな会社が苦手な方は、大手は向いてませんし、逆にルールがしっかりしている会社がいいという方は大手や中規模運送会社は向ているといえます。こんな感じで、会社の規模による特徴を知ることで、自分に向いている会社を選びやすくなります。
●会社設立の年数別に特徴を知る
会社設立間もない運送会社は、仕事内容も社内のルールしっかりと定まっておらず、これから決めていくという段階なので、ルールは曖昧なことが多い。人間関係も全員がスタートしたばかりなので、人間関係も楽。これから決めていく段階のため、トラブルも多いのが特徴。どんな条件でも頑張れる人は歓迎される。入社もしやすい。
会社設立が長くなるほど、仕事内容や社内のルールが最適な条件で固定されるようになるので、安心して働ける環境になっていることが多い。派閥があったりして人間関係は面倒なこともある。マニュアル化されているので、安心して働ける環境であることが多い。入社のハードルは高くなる。(しっかりとチェックされるため)
●自分が働きたい社風を考える
「個人経営の小さな会社で規則が緩い会社」
「大手でルールがしっかり決まっている会社」
「ヤンチャな人が多い会社」
など、会社によって社風があります。
●福利厚生のあり・なしをしっかり考える
福利厚生が充実しているほど、安心して働くことができます。個人経営の会社では、福利厚生がまったくない会社もあるので、最低限必要な福利厚生の条件を決めておくと、判断しやすくなります。有給をまったく取らせてくれない会社はまだまだ多いですからね。
●納得できる給料であるか確認する
どれだけ福利厚生や休日が希望通りだったとしても、給料が安すぎると働き続けることは困難となり転職する羽目になります。納得できる給料であるか確認することはとても重要なポイントです。
~(会社選びで失敗しないための注意すべきポイント)~
●面接時に仕事内容や雇用条件などを確認する
入社後に実際に担当する仕事内容や雇用条件などの詳細を面接時に確認しておくことで、入社後に説明とまったく違う内容の仕事や条件を押し付けられるリスクを軽減することができます。
僕の経験では、4tトラックの運転手で入社したつもりが、運行管理者として教育しますと言われたり、4tルート配送の希望で入社したのに、ハイエースの新規事業の担当者にさせらりと、詳細を聞かなかったがために入社後に、会社都合でまったく説明と違う仕事を担当させられるケースがありました。(その2社は2週間・3か月と短期で退職しました)
●求人情報の条件と面接時の説明に相違がないか確認する
ぶっちゃけ、運送会社の求人情報は、たくさん求人したいがために、ウソの情報を記載しているケースは少なくありません。そのため、入社後にトラブルを避けるためにも、面接時には必ず、求人情報の情報にウソがないかを確認することは必須。
●社内の雰囲気や対応などを確認する
面接時は会社の事務所や会議室で面接することが多いのですが、その際は実際に働いている人や社内の雰囲気をチェックするようにしましょう。対応が横柄だったり、従業員同士の会話で運転手を見下したりする発言があったり、パワハラなどがる会社だと判断したら条件が良かったとしても避けたほうが無難です。従業員を大切にしない会社では続けるのは難しいですからね。
●会社の敷地にある従業員の自家用車やトラックをチェックする
会社が所有しているトラックがボロボロなトラックばかりだったら、トラックにお金をかける余裕がないと判断できるので、避けたほうが無難。従業員の自家用車が年式の古い軽自動車が多い場合は、給料や待遇が悪い可能性が高いと判断できます。実際、いろいろんな会社を経験してきましたが、当たってます。逆に、トラックはレンタルしている会社も多いので、たとえトラックの年式が新しい車両が多くても、自家用車が年式の古い軽自動車が多い場合は、給料や待遇が悪い可能性があると判断できます。(体験談より)
ヤンチャそうなトラックや自家用車が多ければ、ヤンチャな人やオラオラ系が多い傾向にあるなど、トラックや自家用車を見れば、働いている人たちもおおよそ判断できます。
●できるだけ多くの求人媒体をチェックする
運送会社は、予算の都合で月によって1媒体だけに求人を掲載することもあれば、3媒体以上に求人を掲載することあったりと、同じ運送会社でも月によって掲載する媒体の数は違います。そのため、より多くの求人媒体をチェックすることは重要。大手はそれなりの大手の媒体でしか掲載してないかったりするので、コンビニにおいてあるフリーの求人媒体だけでなく、大手メディアの求人媒体など、幅広くチェックすることをおすすめします。
●期間に余裕をもって行動する
良い会社と出会えるかは、「タイミング」次第ということも多いです。そのため、タイミグがよければ仕事を探して1週間程度でいい会社と出会えて面接→採用というケースもあります。逆にタイミングが合わないと、2か月以上探してもなかなかいい条件の会社と出会えなくて、入社までに時間がかかり金欠になることもあります。お金に余裕がないと、どうしても妥協して決めないといけない状況となってしまうため、できるだけ期間に余裕をもって、準備を進めてていくことをおすすめします。
■まとめ
「知り合いの紹介」とか「なんとなく近所だったから」など、何も考えずに適当に会社を選んでしまうと、ミスマッチの確率が高くなり、結局長く続かず転職を繰り返すことになってしまいます。ここで紹介したことをしっかりと考えて慎重に会社を選ぶことで、自分に合った良い会社と出会える可能性が各段にアップするので、ぜひ参考にしてみてください。